1.6.2 Systems with Rigid Constraints
剛体制約のある系(ある点とある点の距離は固定、みたいな制約がある系)の場合ラグランジアンはどうすればいいか。ちょうど自由度の分だけ次元のある一般座標系考えて、それで系を表現してやれば、この場合も L = T - V でおーけー。
なぜか。
例えば、下向き重力の中で支点が原点に固定されている2次元振り子。xy座標で考えると、
- 運動エネルギー :
- 位置エネルギー :
- 制約 : と原点との距離は固定。()
という系。これは、自由度1の系で、例えば、振り子の軸がy軸となす角 を座標としても書ける。
こう。
前者の座標系のまま、1.6のラグランジアンの見つけ方方式で解こうとすると、ラグランジュ方程式がニュートン方程式になるようにうまく L を作ってやるという方向になる。これは、物体間の制約として働く力の大きさ F を座標として追加してやると、できるらしい。振り子の例の場合、制約として働く力は振り子のつり紐が物体を支点の方向に引っ張る力なので
こう。するとニュートン方程式は
なのでこれになるラグランジアンは
- 運動エネルギー - 位置エネルギー -
になることがわかって、これ座標変換すると、 から計算した では常に [((x^2+y^2) - l^2) = 0]
なので、結局その項が消えて
- = 運動エネルギー - 位置エネルギー
になる。
一般的な話をすると、詳しくは1.10節でやるらしいのですが、言うと、座標に関して制約 がかかってる場合のラグランジアンは
になるので、 が常に満たされるような座標系に座標変換してやれば、単純に制約項が消えるらしい。
1.6.3 Constraints as Coordinate Transformations
1.6.2の内容を考えると、「制約なしのつもりのx,y座標で表現したラグランジアン」を、「制約を暗黙に含んだ一般座標系へと座標変換」して、ラグランジュ方程式を導出してみると、制約条件の入った方程式がでてくる。つまり、すでにラグランジアンがわかっている系に対して、「制約を加える」という操作は、「座標変換」として表現できている。
1.6.4 The Lagrangian Is Not Unique
系に対してラグランジアンが一意に定まるわけではないよ、という話。具体的には、ラグランジアンにその``total time derivative''を足しても、最小作用の経路は変化しないということが言えるらしい。詳細略。
*1:\partial_0 f(\theta